一年に一度の特別な日
今日はとある人物の誕生日。その日は年に一度別れ離れになってしまったある恋人が会える日。そう、特別な日でもあった…。
***
「ちょっ!?なになに??どこ連れて行く気なの?!」
蒼い髪に頬の星のペイントの特徴の女性は数人の友人に腕を引っ張られどこかへ連れて行こうとされている。
蒼い髪の女性、星の手を引いてるのは親友である、やみかという男。背中を押している透き通るような水色の髪のサリエル、金髪のエルトである。その後ろから呆れたような顔をしている銀髪の男性、ホシュがついてくる。
「まぁ、まぁ^^星は大人しくついてこればいいから♪」
星はぷくっと頬を膨らませながらやみかの後をついていく。すると、後ろからまた違う人が近づいてくる。
「予定通りにお願いしますね」
黒髪にサイドに赤と青のメッシュが入った女性は白い羽根で空を飛んでる。
「あら、サディラダメよぉ?ここは人間界なんだから空飛ぶの禁止♡」
すると、大人しく翼をしまい歩くことにしたサディラ。エルトは「いい子いい子♪」といいながら頭を優しく撫でる。
「…ここだ」
「あとは女性陣に任せるよ^^」
ホシュとやみかはある場所につくと星を女性陣に渡した。星は頭の上にハテナを浮かべるばかり。どんどんと何かが始まるので星は少し不安を抱いていた。連れていかれる前に星が今、1番愛してる女性と離れ離れにさせられここまで連れてこられ不機嫌でもある。今日は星にとって特別の日だったから。
「ぅ〜ん、とりあえず衣装に着替えさせてからメイクやヘアを弄ることにしましょうかしら?」
「それでいいんじゃないでしょうか…?」
おどおどとしているサリエル。衣装をさっと持ってくる星の実の妹のサディラ、またの名を乃夜。
「ヘアメイクは私に任せて下さい。エルトさんとサリエルさんは衣装の着付けをお願いします」
「ねぇ?私なんで着替えないといけないの??」
星の言葉を無視し、着々と準備を進めるエルトと困ったように微笑みながら「少しの我慢です…」っと言うサリエルであった。
***
「オィっ!!どうなってんだよ!?」
鮮やかな赤色の髪を一つに束ねる女性は数人の友人に腕を引っ張られどこかへ連れて行こうとされている。
「燃亜さん、少しの間だけ我慢して下さい」
「おとなしくしてればすぐ終わる…」
深緑の髪の少年、帝と黒髪に赤い目が印象的な男、フアフューは燃亜の腕を2人がかりで引っ張る。すると、後ろから雨のように透き通るような水色の髪を高めの場所に一つに束ねてる見た目は女性のエギュンが燃亜に話しをかける。
「やっぱり男装の方が好きー?それとも女物がいいー?」
「はぁ!?な、何言ってやがる…」
エギュンはにっこり微笑む。すると燃亜は小さな声で「じゃあ…男装で」って言う。
エギュンの後ろにはおろおろしながら様子を伺ってるウリクス、無表情なマンモン、少しニヤニヤしているバイモンがいる。
「ここがポイントだ…」
ポイント言われた場所には珍しくエネロとフュレムが2人でおとなしくいた。
「珍しく2人が喧嘩してないんですね…」
ウリクスがそう言うと「ふっ」っと鼻で笑われ両人そっぽを向いた。ここにいた皆はもう喧嘩したんだ…っと心の中で思った。
「さぁーて、男装選ぶと思ってたから予定通りだなー♪さっさと始めるか」
「そうですね…燃亜さんが先に着いてないといけないですから」
今度はエネロとフュレムに両腕をホールドされる。燃亜は頭の上にはてなを浮かべるばかり。
「着替えは私たちが行いますわ」
「覗きは禁止ですからねぇ」
珍しく2人が同時に真っ黒の笑みを浮かべて燃亜をカーテンのある小さなボックスの中に連れ込む。
この時燃亜は一体何が起こるのかわからなくて放心状態であった。
***
「ったく…勝手に着替えさせられてこんな場所で放置かよ……」
燃亜は星のお気に入りの湖の場所で特殊の札が張った椅子に座らされている。そこから身動き出来ないようになってる。この札は涅槃の札だ。しかし、こんな札は見たことがなかったため、抵抗することも出来なかった。
燃亜は彦星様風の衣装に着替えされられている。普段しないような格好のため少し恥ずかしい。
すると、後ろからガサッと草を掻き分ける音がする。振り返るとそこには愛しの星がいた。
「燃亜!!どうしたの?なんで、縛られてるの??」
星が慌てて駆けつけると札は自然に消滅していった。自由に動ける燃亜は星を優しく抱きしめた。
「星…!」
星の衣装は織姫様風になっていた。燃亜は星の服装を見て頬を赤く染め、頭の中ではこの状況を理解する。
「ふふっ、やみか達から最高の誕生日プレゼントもらっちゃったな^^///」
星は燃亜をお姫様抱っこする。普通だと逆だけど、この夫婦にとっては普通なのだ。
「燃亜、好き^^//」
「俺もだよ…^^///」
2人の影が重なると同時に後ろの方からざわついていた。
「ちょっと、やみかさんの頭で何も見えない」
「そんなに押すなって………あ!?」
重さに耐えられなくなったやみかは前方に身体が崩れる。やみかが崩れたせいで後ろにいた者も全員ドミノみたいに倒れていく。
「ちょっ…!//何してるのそんなところで!!////」
「乃夜が押すからですよ…」
「私じゃないですよ!フアフューさんです!!」
「俺じゃない…エギュンだ」
ギャーギャーと騒ぐ帝達。慌てて星は燃亜を降ろす。星も燃亜も頬を紅く染める。
「ふふっ、今日で1番いいものが見れましたわねぇ」
「私てきには…逆だったと思ってたんですが……そうだったんですね…」
「……おめでとう」
エルトはサリエルの頭を撫でながらにっこり微笑んでいて、サリエルは少し戸惑っているみたいだ。ホシュはいつも通り真顔であった。
「なんかフラグが立ってたわね」
「そうですね…これはこれでいい結果ですわ^^」
フュレムとエネロはそれぞれコメントを残し星の肩に手を置いた。
「「お誕生日おめでとう」ございますわ」
その次にフアフューと、東西南北の4人が燃亜の肩に腕を回し耳元で呟く。
「星の格好どうー?綺麗でしょー?俺様が考えたんだよ♪」
「燃亜さんも素敵ですよ…。これから星さんの隣で支えて下さい……」
「お前なら大丈夫だなァ…!」
「頑張れ…」
すると、フアフューは燃亜を星の方に突き飛ばす。
「1年に1回だけじゃ足りないだろ?」
ニィっと笑うフアフュー。燃亜は笑顔で「ありがとう」っと伝える。
「星姉さん、いつまでも燃亜さんと幸せに暮らして下さい」
「姉さんみたいな夫婦になりたいですね」
帝と乃夜はぎゅっと星を抱きしめる。嬉しさのあまり涙を流す星。
「おぃおぃ、ここで泣くのはおかしいんじゃねぇーの?お前の泣く場所はこっちだろ」
やみかは帝と乃夜を星から引っぺがして、燃亜の胸もとにおさめる。
すると、周りにいた皆は優しく頷く。
「星、誕生日おめでとうな^^//」
「燃亜!!」
この場をおさめたのは2人の夫婦のキスであった。
また1年後に幸せな時が運んできてくれますようにー