新カゲロウプロジェクト0【第3話】
クリックをするとさっきと同じように写真の上に吹き出しが現れる。
キド「読み出す…?」
ユーロ「そうですよ。なのでシンタローさんとコノハさん正解でーす。あとでご褒美あげますね。」
2人ににっこり微笑む。
セト「でも…ユーロさんも出来るっすよね?」
ユーロは微笑みながらセトに顔を近づけた。
ユーロ「これは私ではコントロール出来なくて諦めた能力よ。」
セトのおでこをつんっと人差し指で押す。
ユーロ「まとめて言えば天音音色さんは読み出す。私ユーロは読み書きする。」
するとモモは冷や汗をかきなから言う。
モモ「もっと簡単に言って下さいよー。ヒビヤ君も分からないですよね?」
ヒビヤ「いや、なんとなくなら分かる気がするよ。」
モモ「えぇ⁉マリーちゃんは?」
マリー「私もヒビヤと同じかな…。」
モモは絶句しておとなしくソファーに座る。
ユーロ「私は書き換える。記憶を書き換えるのよ。」
クリックをしてさらにPowerPointを進める。
ユーロ「例えを出すなら私がモモさんのアイドルの記憶を農業に書き換えることが出来るのよ。」
モモ「農業⁉」
ユーロ「例えの話しよ。自分がアイドルってことを忘れて農業をやってるおばさんだと記憶になっているのよ。」
モモ「おばっ…⁉」
ユーロはにっこり微笑むとモモは黙り込んでしまった。
ユーロ「でも、私にはそこまで読み出しは出来ないの。」
キド「どうゆうことだ?」
クリックを続ける。
ユーロ「私は書き換えるのが専門。天音音色さんは読み出すのが専門。」
シンタロー「成る程…。」
シンタローは何かを考えている。
ユーロ「だから私は読み出すことには未熟だし、細かいことは出来ない。もちろん天音音色さんだってね。」
クリックする手が止まる。
ユーロ「でも、私なんかより恐ろしい能力なのよ。読み出すってことは…。」
いつもヘラヘラ笑ってるが今は真剣な表情。
全員が息を呑み込んだ。
ユーロ「読み出してコピーをしてペーストまでしてしまう。」
コノハ「…じゃあ、僕らの能力は全部使えるってこと?」
ユーロは首を縦にふる。
ユーロ「キドさんかカノさんの能力を使ってこのアジトに侵入したと考えるね。」
キド「俺たちの能力を…。」
カノ「マジかよ…。皆ごめんね。」
2人とも落ち込む。
ユーロ「それでセトさんの能力を使って調べたってところね。」
マリー「あっ…!」
マリーが小さく手をあげる。
セト「どうしたんすっか?」
マリー「私セトに色々話しちゃった…。」
セト「えっ?そんなの聞いてないっすよ…?」
涙を浮かべるマリー。
マリー「ご…ごめんなさい!」
モモ「マリーちゃんのせいじゃないよ!」
モモはマリーを抱きしめる。
ユーロ「これで確信はついたね。」
また爪を噛む。
少し沈黙が続いて口を開いたのはシンタローだった。
シンタロー「読み出すって例えばどんなことなの?ちょっとモモにやってみてよ。」
モモ「何で私⁉」
ユーロ「いいよ。」
あっさり了解してモモの前に立つ。
瞳の色は真っ赤。
ユーロ「モモさんは好きな人居ないんですか?」
モモ「なっ⁉い…いませんですよ!///」
するとユーロはにっこり微笑む。
ユーロ「へぇー…実は小さい子好きなんですね。」
モモ「ひゃぁぁぁあああ!やめて下さい⁉」
ユーロの声はモモの叫びによって掻き消された。
ユーロ「私は口に出して動揺している相手から情報を読み出します。直接脳に交渉は出来ないですね。まぁ、セトさんに似た能力みたいなものです。」
セト「僕と似た能力っすか…。」
ユーロ「私の場合相手に動揺させないと読み出すことは出来ないの。」
ユーロはクリックを続ける。
ユーロ「でも、天音音色は直接脳に交渉が出来る。」
クリックするとコピーとペーストの字が浮かびあがる。
ユーロ「その脳のコピーをとって、自分の脳にペーストが出来るのよ。」
ヒビヤ「ペーストって?」
ユーロ「貼り付けって意味よ。」
苦笑いに近い笑みを見せる。
ユーロ「私には断固出来ないことよ。」
キド「じゃあ…知らない間に…。」
マリー「盗まれたってことですか…?」
ユーロは首を縦にふる。
ユーロ「…だからたっぷりいじめてあげようよ。」
にんまり笑うユーロは楽しそうだ。
カノ「でも、どーするの?もうバレた以上派手に行動が出来ないんだよ?」
ユーロ「あら、私のこと忘れてない?」
カノの前に立ちにっこり微笑むとカノを抱きしめた。
カノ「っ⁉///」
ユーロ「さっき私の能力話したばっかじゃーん。私に興味がないのは酷いなーカノさん♪」
豊かな胸でカノを押さえつけるユーロ。
シンタロー「…それで、具体的に何をするんだ?」
ユーロ「…作戦はこうよ。」
カノを離しまたも新しくPowerPointを開く。
続く